Blog73歳の挑戦(ひきふね)
73歳の挑戦
2023年6月15日、Aさんは念願の一人暮らしを始めました。
Aさんは1948年に福井県で出生。中学校卒業後、鉄工所・地元市場での仕事を経て西成区へ。
来阪した頃に精神面での不調で入院、退院した2000年に保護施設での生活が始まりました。
Aさんには精神面の疾患の他、指や背中に痛みを伴う関節リウマチや下顎前突症があり、日常の生活に手厚い支援が必要であったことから、このまま施設での生活を送ることが当然と本人も周囲も感じていました。けれども、施設での生活を送るうちに漠然と一人暮らしがしたいという思いを抱き、その思いを口にするようになっていたとのことです。
2016年にひきふねに入所。Aさんの努力もあり、数年すると精神面が安定し、精神科病院への入院はなくなりました。そのことで気持ちに余裕ができたAさんは一人暮らしについて前向きに考える時間を持てるようになりました。
Aさんは、施設の担当スタッフや病院スタッフに自分の思いを打ち明けました。担当スタッフもその気持ちを受け止め、アパートでの生活訓練など1人暮らしに向け支援の幅を広げていきました。Aさんの頑張りで金銭や薬の管理、電話の使用など出来る事がたくさん増え、「Aさんの一人暮らしが可能なのか」とのスタッフの不安は徐々に薄れていきました。とにかくAさんの努力に驚かされました。
担当スタッフが、福祉事務所の担当者にAさんの一人暮らしに向けての支援方針や状況を伝え、病院スタッフはじめ、法人内外の機関と連携し、社会資源等を活用していくことで、Aさんの一人暮らしにむけた課題をひとつひとつクリアしていきました。
Aさんは、現在通所事業を活用しながら、自分の時間を大切に過ごしています。
「自立」の型は人それぞれです。そしてそれに向けて行う支援もオーダーメイドで行われます。中には目標達成に時間を要する方もいますが、あくまでもその人のペースに合わせ、寄り添い支援することが大切だと実感しています。
ひきふねでは、今後も様々な挑戦を応援していきます。
救護施設 ひきふね
〒557-0003 大阪市西成区天下茶屋北1-3-19
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